10年後の農業経営者を育てる~横田農園の人材育成~

農業の全てを楽しむ。

・正に農業はモノ作り(まだ見ぬ最高を求めて無限の可能性に挑戦)。
・決まった休みは取れないけれど、毎日が自由でストレスが少なく自由な時間も多い。
・所得は少ないが周囲に喜びと感謝の種があふれている。(消費者からの感謝・地域からの感謝)
・農業を楽しめる人材を発掘し育てる事を楽しむ。
・何もないところから新しい物を作り出す事が楽しい。
・未来へ残す物は人材と技術

少ない成功例より多くの失敗例を楽しむ

・成功例は、いくら聞いても他人事。
・漠然と上手く言っても、いつか大きな失敗をする。
・失敗から多くの事を学び乗り越えた時には多くの技術と自信がが身に付く。
・失敗を乗り越えた自信は、異常気象にも立ち向かえる強い心を養う。
・失敗に悪戦苦闘する姿は、周囲から大きな評価と信頼を得られる。

恵まれた環境より不利な環境ほど人は成長する。

・不利な環境ほど考える力が育ち新しい発想が生まれる。
・不利な環境で生き延びた時、粘り強い心が育つ。
・僅かな資金は良い工夫やアイディアが生まれる。

技術は教えられるより盗む方が吸収が速い、自分に合った技術を編み出す。

・受け入れる気持ち(下地)が無いところに、良い技術を沢山降り注いでも全て、こぼれ落ちてしまう。
・本当に必要になった時に、良い技術を見せる事で一瞬で本人に吸い込まれる。
・教えるのは、物作りの考え方、見せるのは技術
・農業は、それぞれ条件が違うので同じ事は出来ない自分の特徴を生かして独自の技術を身に付ける必要がある。
(土地の性格・農地の気候・労働力・販路・資本力・体力・精神力)
・作業の良し悪しは、次の作業を自分で行う事で良く解る(前の作業が悪いと後の作業性が悪い)
・完璧な商品は無い、完璧な技術も無い、完璧に近いだけ、自分に合った技術を追求する。

人に教える事で自分が生長する

・自分の身に付けた技術を人に教える事で自分の未熟さに気づく
・自分の手足は思い通り動くが他人の手足はコントロールが難しい

全ての経営情報を共有する。

・売上経費の関係を全てのスタッフが把握できるようにする。
・日々購入する資材の価格を意識しながら使う事が出来無駄が減る。
・受託作業等で依頼農家からいくら負担してもらっているかを知る事で、作業時間を有効に使える。
・自分が会社にどれだけ貢献しているか解り、働く意欲が向上する。
・新人においては自分がどれだけ負担を掛けているか解り真剣に仕事に取り組める。

経営者に必要な事は、信じて任せる勇気である。

・多少の失敗は恐れずスタッフを信じて任せるが責任は分担する。
・多少のやり直しは覚悟し離れて見守る姿勢が大事。
・とかく農業は、無制限な時間の中で働きがちだが、働く時間を制限する事で無駄が減り効率が上がってくる。
・262の法則(できない2割を育てる事で、出来る2割が育つ)
出来る事を探し→伸ばし→増やす事で自信が持てるようになる(自己肯定感)。
・いつも夢を持ち夢を共有する。
・自分の持てる最高の技術を見せる。
・常に売上と経費の関係をスタッフに示す。
・農産物の価格に占める所得の割合を知る。(生産・流通・加工・販売)
・辞められる心配をして教える事をためらうより、良い技術が広がり発展する事を喜ぶ。
・できる人材ほど辞める事は当たり前と考える、できない人材ほど定着が良い。
・完璧な人はいないので、得意分野を伸ばし不得意を補う。
・農業に絶対必要な物は心身共に健康な事と信用である。
・転職する者、独立する者、どちらの将来も応援する姿勢。
・物事には良い面と悪い面があるが、良いと思われる中にも悪い部分はあり、悪いと思われる中に良い事も含まれる。
・考え方の合わない人が同じ仕事をすると摩擦が生じてしまうので仕事を分担して一定の距離感を保てるようにする。
・正規雇用と非正規雇用の違い。
*正規雇用は、毎月の仕事と賃金を保障する。
*非正規雇用は、仕事があるときだけ雇う。
従って正規雇用は一年間の作業の流れが解り、時々の仕事の良し悪しが、その後の作業性や生育にどのように影響
してくるか学習でき、自然と実力が上がってくる。それに対して非正規雇用は、一つの作業が忙しい時だけ働く事に
なるので、指示する職員の実力によって作業結果が大きく違ってくる。その後の作業性や生育に責任が無いので
技術力の蓄積も無く本人の成長も低い。
・目指す目標を示す。
*言われた事を確実に出来るようになって、半人前。
*人に指示して計画目標を達成できるようになって一人前。
(他人に作業を的確に教え全体で成果を出せる人材)
・転職の決意を決めた人を止める事は、殆どできない。
・殆どの人は3年以内に様々な事情で転職を考えるが転職をとどまれるのは就いている職業で得られる所得で、
生活が支えられている場合である。

就農までのステップ(見学→体験→研修→独立→相互に協調)

・見学–職場の環境
・体験–実際に農作業を体験(1~6日)
・研修–農業を生産~販売までを実践(1~2年)
・独立–農地・農機具の貸出し
・新規就農者として独立–応援(販路・労働力・農機具・その他)

社会に出て仕事をする事は自分探し

・どんな仕事が自分に向いているかは、誰も解らない。
・楽しい事や辛いことを繰り返しているうちに、徐々に自分の生き方や考え方に合う物が見つかる。
・自分が働く事で他人が喜んでくれた時に、自分の価値と存在を感じ毎日が充実する。

どんな人材でも本人の未来を応援する姿勢で指導する。(全てを丸ごと受け入れる)

・どんな人材でも全力指導。
1)独立志向・・・・農業に強い思いがあり農業の事を学校で学び企業で学び農業の知識もある。
2)農業で就職・・・農業の知識も多少あり、農業を仕事として選択。
3)趣味の農業・・・本格的に農業をやってみたいが何から取り組めばい良いのか解らない、既に生活は安定
50代後半~人生に農業を選択。
4)農業が好き・・・農業を全く知らない(大半がどんな仕事が自分に合っているか解らない)
①自然の中にいると気持ちが落ち着く → 自然が好きだ → 農業ならできそうだ。
②何をやっても上手くいかない → 会社では厄介者扱い → 農業をならできそうだ。
③人とコミュニケーションが苦手 → 社会に馴染めない → 農業は植物が相手 → 農業ならできそうだ。
④色々な事情から一般企業への就職が困難な人。(育児・介護・その他)
・常に将来を見据えて一つ一つの作業の目的と意味を説明しながら指導する。
1)作業方法はあまり詳しく指導せず考える余地を残す。
2)自分流の方法が一番効率が良い。
・農機具の指導は構造と仕組みを教えながら操作を指導する。
・大きな被害の無い限り出来るだけ自分で考え作業をしてもらい多くの失敗経験を積んでもらう。
失敗のリカバリーを一緒に行う事で多くの事が学習でき、失敗を恐れない強さが身に着く。
・技術が一定の水準に達した時には、掴んだ技術を後輩に指導させる。
指導する事で予想もしない質問や問題や発想が生まれ、より成長出来る。
・研修中は、日報を書き情報を残す。
指導者が日報を読み書きする事で、本人の考え方や苦労している所が解り、効率的な指導ができる。
また、情報を共有化する事で他のスタッフにも参考になる。
・全ての情報を共有する事で農業経営全体を理解できるようにする。
売上・資材費・人件費・その他
・農園から独立しても交流を持ち、お互いに協力しあい共に成長する。
・既に退職が決まっているスタッフに対しても将来役立つことを信じて真剣に指導する。

外部研修には時間の都合がつく限り積極的に参加させる。

・中小企業が利用できる新人研修等も積極的に参加。(埼玉県産業振興公社等)
・新規就農者の交流会や研修会にも積極参加。
・農業経営者の育成研修会にも積極参加。
・幕張メッセや国際見本市の会場で行われるような大きなイベントへも積極参加させ視野を広げる。
・その他、各種研修会やイベントにも時間の都合がつく限り積極的に参加します。

新規就農者としての独立例とその後

1)21歳男子:当園で1年間研修
・結婚相手の両親に農業で食えるのか!子育てが出来るのか!の言葉に転職。
・その後、他業種で働きながら時折水稲農家の手伝い。
2)39歳男子:他農家で半年研修、当園で半年研修
・苺農家として借りた農地にハウスを建て就農。
・地主が相続で代りハウスの増築に反対、苺栽培のリスクの高さに挫折。
・作目を野菜に切り替え、野菜の栽培と販売に取組み順調に拡大中。
3)58歳男子:農業大学で1年勉強後、当園で1年研修
・都会より単身で越して来られた為、地域の信用が無く農地が見つからず、当園の農地を提供し就農。
・一定の資金もあり栽培ハウスを当園と協力して建設し苺栽培と野菜の栽培で新規就農。
・現在、4年目に入りほぼ軌道に乗りつつある。
4)5?歳女子:農業大学の短期講座受講後当園で2年間の農業研修。(農業をしてみたいとの希望)
・研修2年が経ち、農業の設備投資と農地の維持管理の難しさとリスク等々農業の実態に直面。
・話し合いの結果当園内で独立就農と言う無難な路線の変更し就農。
・希望の農業と採算軌道にも乗り、ほぼ順調。
5)32歳男子と25歳女子:共に農業系の大学卒業し当園で1年間の就労研修。
・両者とも実力と農地の背景があり、必要な物は農業経営ノウハウのみ。
・男子は、3年前に退職し山梨へ桃農家として独立就農。
・女子は、H26年に当園を退社し結婚、山梨で共に桃農家として就農。
・地域の協力で何とか生産に漕ぎ着けるも販路に乏しくA品は販売できてもB品以下の販路に苦戦。
・現在、B品を中心に当園で販売協力し合う事で販路も広がり共に成長を続けています。